野里町歩紀

月1回のペースで大阪近郊の「野」「里」「町」を歩きます。そして合間にちょっと気になったことや世情について思いつくままつぶやきます。ただ論争は好みません。

ずぼら歩紀~「五月山」ハイキングと「がんがら火祭り」巡行コース~

訪問日:令和7年8月4日(月)
出 発:阪急電車池田駅
到 着:阪急電車池田駅

 北摂池田の夏の伝統行事「がんがら火祭り」。池田市観光協会公式ホームページによると、徳川三代将軍・家光の治世の正保元(1644)年、多田屋・板屋・中村屋・丸屋の4人が五月山の山上で火を灯したところ、「池田の地に愛宕(火の神)が飛来した」と評判になり、多くの人が山に押し寄せたことが起源だと伝えられています。その名のとおり勇壮な「火祭り」です。赤々と燃える大きな2基の「松明(たいまつ)」が男衆に担がれ町を練り歩きます。今日は祭りの舞台である「愛宕神社」を訪ね、松明の巡行コースを歩きたいと思います。休憩・見学を含めても往復2時間30分ほどの「ずぼら歩紀」ですが、結構高低差のあるハイキングコースです。しっかりとした足元で。給水・トイレの心配はありません。


 今日のスタートは阪急宝塚線池田駅」。大阪梅田駅から約20分(280円)。池田市は「仕事」「遊び」「買い物」「一杯飲み」「通院」などで何度も訪れている私の「庭」のようなものです。そして今日は平日ですが私は20連休の夏休み中。午後1時55分、超ゆっくりのスタートです。ここは大阪府池田市


 池田市室町時代から戦国時代にかけて付近一帯を支配していた地方豪族・池田氏の居城であった「池田城」の城下町です(同ホームページより)。およそ1km四方ほどの城下町に多くの神社仏閣や旧家、レトロな洋館などが集まる「歴史観光の町」。山間部には温泉旅館もあり、駅南側の「カップヌードルミュージアム」には海外からもたくさんの観光客が押し寄せています。これらについては私の

 

aruki3.hatenablog.jp

 

で取り上げているので、よろしければご訪問ください(ちょっと古いですが)。駅前の観光マップ。今日歩くコースが大体分かると思います。


 まず改札口の真ん前にある池田市観光協会の「池田ゲストインフォメーション」。


 五月山のハイキングマップとがんがら火祭りのパンフをもらいました。


 駅北口の陸橋で国道176号線を越え「サカエマチ1番街」に入ります。今年3月に亡くなったいしだあゆみさんの実家は、この商店街で喫茶店を経営していたらしいですね。


 昭和の商店街ですが「シャッター街」化していない賑やかな商店街です。


  150mほどで道路が横切りすぐ左には公衆トイレ。そして「サカエマチ2番街」が続きます。


 100円ローソンの向かいにはちょっとレトロな建物「旧池田電報電話局」。若い皆さん「電電公社」って知っていますか。今の「NTT」。そう「docomo」の前身ですよ。「三公社五現業」。社会科で習いましたね。


 こちらも150mほどの賑やかかつレトロな商店街です。


 アーケードを抜けて交わる東西250mほどの通り。ここは「旧能勢街道」です。レトロな建物や「落語みゅーじあむ」が並びます。池田は「落語のまち」でもあるのです。ここからは松明の巡行コースなのですが復路で説明します。


 150mほどで小さな四つ辻に出ます。地図を見ていただければわかるのですが、駅前を出発してから1度も曲がることなく真っ直ぐ歩いてきました。そしてここから松明巡行がスタートするのですが、まずは五月山の中腹に鎮座する愛宕神社にお参りしましょう。


 小さなカーブを曲がれば左に階段が。その先に地蔵尊が見えますが後で訪れます。まずは階段を上りましょう。


 階段を上ればそこは「五月山公園」。五月山の麓に位置し、サクラ広場や動物園などがあります。(午後2時20分)


 動物園は無料の小さなものですが珍獣「ウォンバット」は池田市ゆるキャラにもなっていますよ。ただ現在は改装中。「仮開園」ということで外周のみの公開です。


 羊さんです。ウォンバットやアルパカは見られませんでした。


 大きな陸ガメが餌をもらっていました。


 公園の奥には山小屋風の公園総合案内所。ここも改装工事中でした。ここを起点とします。そしてハイキングコースに入れば自販機はないので、ここで給水しておきましょう。きれいなトイレもあります。(午後2時25分)


 ここから「五月山ドライブウェイ」という有料道路が始まります。料金所手前を左に入ります。


 そこは五月山へ続くいくつかのハイキングコースの出発点でもあります。左では何やら工事をしています(後で悲しい結果に)。往路は「望海亭コース」で上りましょう。右へ。


 左右を確認して五月山ドライブウェイを横断します。


 五月山はどこが山頂なのかはっきりしませんが標高300mほどの低山です。険しい山ではありませんが、麓から見てもわかるとおり屏風のように立つので結構坂はきついですよ。ただコースは整備されているので迷うことはありません。林間コースなので適宜水分補給をすれば、熱中症にかかる心配もないでしょう。


 右の赤いリボン方向に進めば直線的に稜線を上りますが、すぐ先で合流します。


 合流すればすぐに「望海亭跡」に到着です。ここで望海亭コースは終わりです。右から合流してくる「五月台コース」に進みます。かつてここには淡路島まで望める東屋が建ち望海亭と呼ばれたそうですが、今は木々が生い茂り展望は効きません。(午後2時44分)


 木陰の林間道を過ぎれば5分ほどで「五月台」に着きました。ドライブウェイ沿いの展望台で駐車場やトイレがあります。


 素晴らしい景色ですね。ただ角度的に海は見えません。猪名川の向こうには丹波の山々が。


 ドライブウェイに沿って50mほど歩けば愛宕神社の社号標。階段を上ります。(午後2時54分)


 社務所もある立派な神社です。御祭神は「火之迦具土大神(ホノカグツチノカミ)」「武甕鎚大神」「佐伯部祖神」の三神。火之迦具土伊弉諾伊弉冉の間に最後に生まれた火の神様。そのため「火伏せの神様」として古くから全国の愛宕社にお祀りされています。お参りしましょう。


 拝殿の左には「松明」が飾られていました。高さ4m、重さ100kg。2本1組の松明が2基。これが町を練り歩くのですが、この松明はいわゆる「見本」です。


 ここで神事の後、小松明に御神火を授かります。


 小松明は交通規制された五月山ドライブウェイをゆっくり下って行きます。先ほどの五月台に着きました。小松明はドライブウェイを進みますが、私はここからは「大文字コース」で下山します。


 先ほど通り過ぎたトイレの裏に「秀望台」への標識。文字がかすれてちょっと読みずらいですが、ちゃんとした道が開けているので間違うことはありません。(午後3時4分)


 ずっと下りです。時期によってはスズメバチが出るかも知れませんね。また北摂ですのでイノシシやシカ、サルは普通に生息しています。特に朝や夕方は気をつけましょう。


 五月山ドライブウェイと合流すれば、小さな駐車スペースがあります。そしてその先にちょっとした展望台がありました。ここが「秀望台」なのでしょうか。下に鳥居が見えます。


 ドライブウェイを歩き鳥居に向かいます。ここが「秀望台」なんですね。六甲の山々から淡路島、大阪湾まで見渡せます。愛宕神社の「一の鳥居」。この鳥居は麓の市街地からもよく見えますよ。(午後3時12分)


 鳥居の下には木々が伐採された空間が。五月山ドライブウェイを下りてきた小松明の火をここで薪に移し、山腹に赤々とした「大一」の文字が浮かび上がります。


 先に進みます。ところが何と。大文字コースは落石のため通行止め。さっきの望海亭コースか迂回路へ回れとの看板。私は池田駅改札前のインフォメーションで「五月山のハイキングマップを下さい」と言ったんだから、その時「大文字コースは通行止めですよ」って言ってくれれば良かったのに。

 ただ私の歩紀は「自己責任」かつ「自己完結」です。さっきの望海亭まで戻るつもりはありませが、クレームを申し立てるつもりもありません。五月山ドライブウェイを歩いて下ります。五月山ドライブウェイは「自動車は300円。自転車・歩行者は無料で通行できる」ということなので問題はないでしょう。車に注意して歩きましょう。


 ただ数分下れば往路でドライブウェイを横断した望海亭コースに出たので、ハイキングコースに入ります。この間、車は1台しか通りませんでした。そのまま先ほどの道を下ればスタート地点の大文字コースとの分岐点。さっき通った時に何やら工事をしていたので嫌な予感はしたのですが、ここが通行止めなんですね。じゃあ、ここに看板出しといてよ。公園総合案内所に戻ってきました。五月山は、今大々的に工事をしているんですね。途中ドライブウェイを歩きましたが、大文字コースも10分くらいの所要時間なので、到着時間に差はないでしょう。(午後3時26分)


 五月山公園広場横の歩道を進みましょう。春はサクラがきれいです。


 公園東側にドライブウェイへの入口である「五月山公園前交差点」があります。「五月山公園」と彫られた石標の手前にある小さな路地を下りましょう。


 少し下れば右に「油掛地蔵尊」。そう最初に説明した階段の奥にあった地蔵尊です。

 
 地蔵尊の向こうには往路で上った階段が見えます。


 そして小松明を担いだ男衆が、地蔵前からこの狭い坂道を一気に駆け下ります。


 50mほどで五月山に登る前に訪れた小さな四つ辻。ここで松明に火が移されます。ここまでは氏子らによる神事。一般の方々が目にする「がんがら火祭り」はここから始まるのです。(午後3時34分)


 松明は住宅街の狭い路地を抜けて行きます。


 途中右には「本養寺」への道。


 横断歩道を渡れば、すぐ右には「稲束(いなつか)家住宅主屋」。


 江戸時代後期の建築で国の登録有形文化財に登録されています。


 さらに進めば右にも古い建物。


 その向かいにも。


 ここは池田の銘酒といわれる「呉春」の蔵元です。日本酒ファンの間では有名です。松明と古い建物は映えますよ。


 正面に往路で通ったサカエマチ2番街のアーケードが見えてきました。松明はここを左に曲がります。


 往路で説明したとおり旧家などが並ぶ「旧能勢街道」。


 すぐ先の交差点の角にはハローワーク。この「池田職安前交差点」を右折します。もうハローワークのことを職業安定所と呼ぶ人はいませんね。(午後3時43分)


 この通りは「桜通り」。直線の広い道路はがんがら火祭りの見どころのひとつです。


 創作彫刻家らによる石像が並び「石の道」「彫刻ストリート」とも呼ばれています。


 いくつかの信号を過ぎれば「池田駅東口交差点」。正面には今日出発した阪急池田駅


 松明はここを左折します。国道176号線を横断し、駅前のロータリーを巡った時期もありましたが、池田駅前のバスターミナルは分刻みでバスが運行されています。なかなか規制が難しいのでしょうね。


 駅からの歩道橋をくぐれば左角には「池田駅前公園」。松明は「池田市役所前交差点」を左へ曲がります。そうここで方向を北に変え五月山に向かうのです(歩道橋の上から撮影しています)。


 池田市役所前は道路の両側に広いバス乗り場があることから、ちょっとした広場のようになっており、ここも見どころのひとつです。(午後3時57分)


 松明は池田警察署の前を通り過ぎます。


 幼稚園を過ぎ、2つ目の信号である三叉路を左に曲がります。正面が五月山です。


 次の信号が桜通り。ここを右折します。この間は巡行コースが重複します。


 松明はさっき通過した池田職安前交差点をそのまま直進します。右の木はサクラなのですが、南側に面しているうえ後ろのガラス窓が日光を反射するので、他のサクラよりもいち早くしかも一気に開花しますよ。間もなくゴールです。


 夏の暑さと火の熱さ。それに加えて道はだんだんと上り坂になります。男衆の体力も限界に近づいているでしょうね。


 緩いカーブを過ぎれば「池田城山町交差点」。ここが松明のゴールです。なお今日歩いたコースは「城山町」主催の祭礼。東隣の「建石町」でもがんがら火祭りは行われ、山腹には「大」の火文字も焚かれます。こども松明が巡行するのですがコースは別です。参考まで。(午後4時9分)


 池田城山町交差点から見上げれば櫓を模した池田城の展望台。お疲れさまでした。今日歩いたコースは約3kmですが松明は約2時間半かけて巡行します。


 なお、ここで祭りは終わるのですが、松明は突然動き出します。理由を知らない人は「えっ、まだ巡行は続くの?」と思いますが、松明はすぐ先の狭い路地に入って行きます。


 実は路地の突き当りに小さな「愛宕社」があり、ここで御神火が神様に返されるのです。これは氏子の神事であり一般に公開はされていません。


 どの道を通っても今日のゴールである阪急池田駅まで10分ほど。午後4時25分到着です。


 本日の歩紀「10567歩」(7.18km)。ウォンバット君のお迎えです。


 がんがら火祭りは毎年8月24日に行われます。今年は日曜日。雨が降らなければ夕涼みがてら見に来ようかと思います。


 もう「ひとり打ち上げ」はしていないのですが、池田駅前には私の行きつけがあり、素通りするわけにはいきません。駅前ビル1階にある立呑み酒処「備前屋」に突入です。


 このお店は私が現役のころ7~8人。多ければ2~30人。時には100人近くの宴会の後に立ち寄り「静かに呑みたい」と美人店長に伝えたところ、時々隣の酔客が「兄ちゃん。兄ちゃん」と話しかけてくれば、店長が「はーい。ちょっと◎#@%△」と言って守ってくれました。もう通い始めて15年くらいになるでしょうか。


 まずは冷たいビールと「串カツセット」で乾杯。このボリュームで420円なんですよ。


 その後、ちょっと奮発して呉春の「特別吟醸」を頼みました。正味1合で610円。おそらく大阪市内の飲み屋さんであれば、もうちょっと小さめのグラスに「呉春」という名前だけで本醸造クラスが同じ値段でしょう。肴はがんがら火祭り出発点の四つ辻を西へ行った国道沿いにある老舗「川崎豆腐店」の焼き厚揚げです。地元の肴を地元の酒で「身土不二」。