野里町歩紀

月1回のペースで大阪近郊の「野」「里」「町」を歩きます。そして合間にちょっと気になったことや世情について思いつくままつぶやきます。ただ論争は好みません。

歌「君は天然色」と映画「ビルマの竪琴」

 「君は天然色」。もう40年以上昔。私が二十過ぎのころに流行った「大滝詠一」さんの曲です。いろんなCMソングでも流されているので、ご存じの方も多いかもしれません。

  「♪ …唇 ツンと とがらせて… ♪」
  「♪ …想い出はモノクローム 色を付けてくれ… ♪」

作詞を依頼された「松本隆」さんが、最愛の妹を亡くした絶望感により「世の中からすべての色が失われた」という精神状態から生まれたという悲しいエピソードがあるそうです。

 「天然色」といわれたカラーに対し、「白黒」と呼ばれたモノクローム(モノクロ)。モノクロの世界ってどんな感じでしょうか。思いつくのが白黒映画。私たちがこどものころ、映画やテレビ番組のほとんどは白黒でした。というか映像はカラーでも受信機であるテレビが白黒テレビであれば白黒にしか映りません。このような感覚は、今の若い人にはわからないかもしれませんね。カラーテレビは、高級品でしたから。

 「ビルマの竪琴」という映画があります。昭和31年に発表された第一作は白黒。オープニングの「ビルマの土はあかい、岩もまたあかい」のテロップの「赤」をどうしても映像で表現したかったという市川崑監督の思いから、ほぼ同じ内容で昭和60年、リメイクされたというエピソードがあります。それほど「色」というものは大切なんですね。人それぞれが描いていた「赤」と30年後に発表された「赤」とは同じ「赤」だったでしょうか…。そこにあるのは、市川監督が描いていた「赤」なのでしょう。
 私がテレビで見ていたプロレス中継でジャイアント馬場の額から流れる鮮血。コンバットでサンダース軍曹が放つトンプソン短機関銃の銃口からは炎。私の記憶では、なぜか「赤」です。CG画像はいりません。人間は頭の中で自由に色を付けられるのです。

 生まれて間もない私を抱く父。私はどんな色の服を着せられ、車はどんな色で、背景の商店のテントは何色だったのでしょうか。

 

 亡父との想い出はいつも白黒。

  「…想い出はモノクローム 色を付けてくれ…」