野里町歩紀

月1回のペースで大阪近郊の「野」「里」「町」を歩きます。そして合間にちょっと気になったことや世情について思いつくままつぶやきます。ただ論争は好みません。

彼岸花とコスモスが咲く秋の棚田を訪ねる

訪問日:平成22年10月11日(月) ~体育の日~
出 発:阪急バス「余野」
到 着:阪急バス「余野」

 「大阪府豊能郡豊能町」。旧能勢郡の東に位置し、昭和52年までは「東能勢村」といい、南河内千早赤阪村とともに大阪に残る「村」のひとつであった。中央の山塊を境に西地区と東地区に分けられる。西地区は町の入り口である妙見口まで「能勢電車」という鉄道が通じており、大規模な住宅地が造成されているが、東地区は鉄道がなく「能勢町」同様、市街地化を免れ日本の原風景が残されている。

 コスモスと彼岸花の時期、棚田が広がる東地区の寺田・牧を訪ねた。

 ほぼ平坦な舗装道を歩く。近道で山に入ることもあるが登山には至らない。余野のバス停周辺には町の公共施設やコンビニがあり給水、トイレには困らないが、コース途中は自販機がある程度だ。(歩行距離16キロ)

 「余野」。豊能町役場など町の行政施設が集まるが小さな盆地の集落である。阪急池田駅方面から阪急バスが通う(約40分540円)。写真は、能勢電鉄妙見口駅」がある豊能町西地区からの巡回バス(100円)。阪急バスに委託されているが町営でその絵柄から「タンポポバス」と親しまれている。


 ここから国道423号線を北上し「切畑口」という交差点で一旦国道から外れる。「石の文化財、余野の石仏」でも訪れる「浄土宗遊仙寺」という寺に行く。そこから裏に抜け林間の一本道を150メートルほど進む。


 小さな祠に出る。「天武天皇宮跡」だ。「石の文化財~余野の石仏」で訪れる「走落神社」の石灯籠は、明治40年ここから移されたもので、銘文には「大婦天皇御宝前」と刻まれており、天武天皇が大武天皇とも呼ばれ「大武」に「大婦」の字を当てたことから、「大婦→大武→天武」。ここが「天武天皇宮跡」と言われるようになったらしい。


 宮跡から50メートルほど戻り左の藪道に入る。藪と田んぼを抜けると農道に出る。地図によればここから山を越えて寺田の集落に抜けられるはずなのだが…途中大きなため池に行く手を阻まれる。地図を頼りに何とか村里へと抜けることができた。ここら辺りは標高で言うと400メートルくらいだろうか。


 田んぼの間の道を歩く。少し時期が遅いかも知れないが、道ばたの赤い彼岸花が美しい。


 寺田の集落を抜ける。


 道ばたには彼岸花が、


 休耕田にはコスモスが咲く。


 途中「井上宅のカヤ」という大木に出会う。旧家の石垣から生える樹齢推定300年以上といわれる大きな木だ。


 そのまま進んでいくと寺田公民館に出る。


 公民館の前に「大歳神社」がある。


 ここから下っていくが棚田が見え始めれば牧だ。牧の棚田は緩やかだ。


 途中「役行者石像」への案内板があった。少し進むとスネぐらいまでの草むらとなり湿気が多い。マムシが出そうだったので元に戻った。秋のマムシはよく噛みつくらしい。右に「鴻応山」が見えてきた。標高678.9メートル。数字の並びがおもしろい。豊能町の最高峰だが、牧の集落自体が400メートルくらいあるのでさほど高く感じない。


 国道423号線に出る。コースを外れて右へ行く。すぐに京都との府境に出る。道県境は海の上と青函トンネル。県境や府県境、都県境はいくつかあるが「府境」は大阪と京都の間にしかない。「大阪都」になれば「府境」もなくなる。その代わり「都府境」ができる。どうでもいいことだが。


 国道を元に戻る。「牧の公民館」。ここには自販機とトイレがある。


 牧の真ん中を国道が貫いており、国道の西側の集落を進む。


 しばらく行くと「牧大歳神社」に出る。鳥居をくぐるとすぐ大きな2本の杉が立つ。


 稲刈りが終わった田んぼに「赤とんぼ」が飛ぶ。


 刈られた稲が干されている。懐かしい風景だ。


 国道西側の棚田は細長く、結構奥まで続いている。


 棚田を抜けるとやたら車とすれ違う。その理由がわかった。まもなく「コスモスの里」というところに出る。家族連れやアベックで賑わっていた。


 入場は有料であるが外からでも満開のコスモスが楽しめる。


 小さな峠を越えると「野間口」の集落に出た。以前「悲劇の姫と信田の森」でも野間というを集落を訪れたが、そこは「能勢町」の野間だ。ここは「豊能町」の野間。能勢町豊能町妙見山から続く「野間峠」という険しい山で隔てられており、その東西に野間という地名が残る。
 「日蓮宗妙瀧寺」という寺を訪れようと一旦村のはずれまで登ったが、この寺は修行の場で観光客やハイカーは入れそうにないので、国道に向けて村の中を下りる。途中「野間口双体地蔵」という地蔵尊があった。


 村の入り口には「野間口妙見山道標」が立つ。「能勢妙見」は、全国的に知られるようになり、各地で「講」が組まれ、団体での参詣が盛んになった。各講により建てられた道標や丁石が妙見山周辺では多く見られる。


 国道423号線からそれ、余野の町並みを通りながらバス停へと向かう。


 本日のゴールである阪急バス「余野」停留所は、町役場前に乗り場があり池田方面へ向かう。本日の「歩紀」5時間30分。